【編集長レポート】革のバッグブランド「n.number」デビュー。「本質はシンプルで美しい」を伝える三上さん その2

By on 2016年5月16日

こんにちは。編集長の川崎です。

前回(こちら)は「n.number」のデザイナーである三上さんの、新しいバッグと革小物のラインナップを取り上げました。

今回は彼女の革の開発にかける想い。

長い時間をかけてじっくりと「n.number」らしい革づくりに取り掛かっていました。

お披露目のときにも、自分がまとめたA4のコンセプト文を読んでもらうところからスタート。

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普段あまり女性一人では足を運ばない、タンナー(革を鞣す工場)さんまで何度も打ち合わせに行き、

職人さんとのやりとりを重ねています。

国産、それも北海道産の牛革を使い、従来の革らしさと、革に変化を持たせた風合い。

それを一枚の中で楽しむことができるという、単なる一枚革仕立てのバッグにはない

面白さがあります。

そして、三上さんがそこで行きついたのが、

今回の革、「Omote to Omote(表と表)」という表現でした。

革は銀つき(表面)のほうと、起毛している裏側があって、たいていはどちらかを活かし、どちらかは「裏」になってしまいます。

けれども彼女は、「あるものを活かす」という発想のもと、革を裏でも表でもなく、「表と表」にするという

業界の中でも珍しい大胆な取り組みを始めます。

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写真では、職人さんが一枚づつ色をつける作業をしているところ。

従来の裏面を軽く漉き、革を均一に近づけ、染色を施してからまた

毛先だけに顔料を塗布しています。

かなり手がかかる作業です。

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タイコという、大きなドラム式洗濯機のようなものに革を入れ、

ガラガラと回すことで革をしなやかにしたり、染めたりします。

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三上さんのコンセプトマップより。

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そこでn.numberでは、あまりやっていないと思われる「革を活かす」方法を取ってみました。

それは革を「表」と「表」にするということ。

ブランドコンセプトを考えている時に、ちょうど自分の生き方とか女性の生き方など

悶々と考えていて、

「人の個性って表に見えている部分だけがいいわけじゃない」なんて

思ったりもしました。

普段見えていないところがすごくステキな個性だったり。

それが革づくりのアイデアとマッチングしたのです。

そしてファーストサンプルから三回試行錯誤を繰り返し、

ようやく納得の行く革になりました。

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中を見てみると、ヘリンボーン風のユニークなプリントが現れます。

これはもともと銀つき(革の表側)の面であり、そこに職人さんがシルクプリントを施しています。

革の裁断後、プリント工場で一枚一枚職人さんが刷っているとか。

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このヘリンボーン風プリントも三上さんが込めた想いがありました。

この柄は、規則性を持たせた日常をイメージしています。

その中で突如横になったヘリンボーン柄を「大地」と見立て、

その上からまた縦に伸びています。

大地の下にもすでに、「あなたの可能性は潜んでいるよ」という

意味合いを含ませました。

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三上さんが、丸二年をかけて開発した革とバッグたち。

女性達が元気になること、そして自分らしく生きることを応援しているような、

そんな気持ちにさせられました。

この革は一度手に取ると、忘れられない感触に驚きます。ぜひ一度触れてもらいたいですね。

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オンラインショップはこちら(n.numberオンラインショップ)

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About 川崎智枝

靴・バッグ業界の経営コンサルティング会社にて、23年間MDアドバイスや店舗の活性化、店長・スタッフセミナー等を実施。2014年4月よりフリーとして活動。 コンサルタントとしてメーカーや小売店に対し、「何を売るか」「どう売るか」までを幅広く指導。また研修コーチ、ファシリテーターとして人材育成ワークショップなどを開催。 日本皮革産業連合会主催の皮革研修では、三越伊勢丹、大丸松坂屋などの百貨店を中心にファシリテーターとして研修を実施。 生涯学習開発財団 認定コーチ、日本ファシリテーション協会会員。 業界誌「フットウエア・ プレス」、「インテリア・ビジネスニュース」にライターとして執筆中。 著書「靴・バッグ 知識と売り場作り」(繊研新聞社)など。Bag Number編集長。

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