【編集長メッセージ】コロナショックで見えてきた、気がかりなことと、個人的な明るい兆し

By on 2020年4月4日

みなさんこんにちは。編集長の川崎です。

日に日に新型コロナウイルスの影響が、業界内外で広がってきているのを実感しているこの頃ではないかと存じます。

まず気になるのは「5月展」ですよね。もう来月と迫っているので、今後どんな動きになるのか情報を集めているところです。個人的には「オンライン展示会」にする必要があるのでは…と思っていますが、みなさんはどうされる予定ですか?

売場スタッフたちの大変さ

週の土日が休館になったところも多いので、今は売上はともかく“ウイルスにうつらない・うつさない”という次フェーズを意識する必要が出てきました。

そんな中でも春は催事やイベントも多いため、店頭に立たれる方も少なくありません。また各商業施設では店舗もオープンしているため、スタッフ・店長たちは日々、緊張の中で仕事をしていると思います。心からみなさんの健康を祈ります。

とはいえ、店舗がクローズしてしまうとパートさんたちは一気に減収してしまう…という側面も。難しい判断を迫られていると、ある店長から伺いました。

私自身も4月は研修が多いのですが、対面・密接・密室で行うためもちろん延期。会議やミーティングもなくなっているので、現場や社内に“最低限のコミュニケーション”が不足していかないか、心配なところもあります。

でもこんな中でも某店舗さんからは、例年と変わらず「春のディスプレイコンテスト」の審査員をさせて頂いています。お客様も少ないだろうけれど、スタッフは前を向いて“コロナのない春の世界”をイメージして、店頭や売り場の中に、見事に作ってくれていました。もう涙でますね。。精一杯お返事しようと思っています。

もし、売り場に足を運ぶ機会があれば、売場スタッフには今まで以上に丁寧に接してあげてください。みんな現場では色々なことを言われ疲弊しています。

ファッションや雑貨は今は不要不急なものかもしれませんが、心の豊かさや気持ちの支えであり、ひいては癒しにもつながるもの。来場者が少ない中でも、変わらず売り場を支えている方々がたくさんいる事を、忘れないで頂けると嬉しいです。

この状況の中で自分なりに見えてきたこと

ただ、リアルからオンラインへ、組織から個へと背中を押されるようにシフトするなかで、おぼろげながら見えてきたこともありました。

個人的には、今まで敷居が高いと思って参加してこなかったオンラインセミナーなどに、積極的に顔を出すようになりました。

web系の若者の「はーい皆さん、こんにちは~♬」という軽めな(笑)ファシリテートに乗っかって、オタオタしながら新しいジャンルの知識を得ることも、齢五十になってから新鮮な経験でもあります。

例えば、地域を応援するある団体が主催したオンラインの緊急会議。長崎角煮まんじゅうを製造する「株式会社岩崎食品」さんが、インバウンド需要や観光客の落ち込みが響いて苦境にあるということで、代表の方を囲んで様々な立場の方々が意見を出し合うzoomミーティングに参加しました。

普段はぜったいに出会えないような方々と意見を交換しあって、この苦境をチャンスにすべき視点ももらいました。厳しい意見から、なるほど~な意見まで。

参加費として、なんと角煮まんじゅうもいただきました!わーい、ありがとうございます!

 

そして、3月初旬に参加した「Vlog講習」の体験もあって、いよいよ自分たちが「オンラインセミナー」を主催していく必要もひしひしと実感しています。これは4、5月中にはなんとか形にしていきたいと思っています。

むしろ場所もいらないし移動時間もない。逆にチャンスかもしれません。

業界内での新たな取り組み

コンサルティングさせて頂いているものづくり企業の方々とのミーティング。ここ1ヶ月は、今までよりも増してハイスピードで前進しています。こういう時、経営者の方々と繋がっていることの有難さを実感します。グチではなくとにかく前に進むことを考える姿勢。学んでいます。

まずはユーザーが家にいる状況でも、ブランドを意識してもらい購入に繋げたいところ。OEMメーカーさんは一気に自社ブランドを立ち上げて、クラウドファンディングを実施しています。そうです、もうどんどんやるべき!

そして「IGTV(インスタグラムTV)」やYoutube、facebook liveなどの動画配信サービスも、得意不得意にかかわらず取り入れていく必要がありますよね。

かなり取り組みが早かった「オリエンタルトラフィック(靴)」のIGTVが、スタッフのみんなが素人っぽく可愛くてけっこう見ちゃいます。バッグでも出来そうだな。他にアパレルブランドも、積極的にIGTVでコーディネイト提案してきてます。

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またライフスタイルのサポート系では、革バッグブランド「REGALO」が、外出できない子供たちのために、バッグを作るときの端革を子供たちに無償で届ける「革で作ろうキャンペーン」を開催中。

外で遊べない子供たちのストレス解消は当然のこと。この機会に親子で革に触れてもらうことで、長い目で見ると、革ものと親しむいい機会にもなり本当にステキな試みです。

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そして、こちらは大人向け。「ピンクの質感研究室」。…いや、そういう意味の大人じゃなくて(違)。

これは大阪・日本橋にオープンした、暮らしの道具とアートの店「tools&arts VIVIDEEP maison」を運営されている宇野ビビディープさんが主催するfacebook上のオンライングループ。私もちょっと参加させて頂きました。

◉オメデタイひとになる online ピンクの質感研究会◉
https://www.facebook.com/groups/994216580972100/

↓ みなさんから集まった様々な「ピンクの質感」たち

宇野さんは「ライフ・テクスチャリスト」という、暮らしの中に自分の好きな“質感(テクスチャー)”を取り入れるお手伝いをされている方です。実は先月大阪のショップに取材でお伺いして、彼女の素敵な試みを知りました。

落ち着いたら、大阪日本橋にある髙島屋東別館にあるショップにもぜひ!めちゃくちゃ素敵!

なかなかお店に集う自由が叶わない今、身の回りの“好きなピンク”のものをアップし、皆で元気をシェアしようというユニークな企画。「暗い状況の中にあっても喜びへのセンサーを立てて、“生きるを祝う”を実践して欲しい」というステキな願いがこもっています。

「ピンクの元気、ピンクのキレイ、ピンクの高揚…。

参加している皆様がシェアしてくださっています。毎日パワーをもらっています。」

宇野さんの呼びかけで現在180名弱の方が参加。オンラインだからこそ繋がって、垣間見える誰かの感性。及び腰にならず、今できることにフォーカスしている宇野さんに、めちゃくちゃ勇気を頂きました。

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「いつ終わるんだろう」「わからない」「不安だね」「どうなるの」・・・

ここ数ヶ月、この会話の連鎖を何度も続けてきましたが、そろそろ抜け出したほうがいいかも。同じことを話してやっぱり堂々巡り。気持ち的に落ちると免疫力も下がります。

フリーランスの私などは何も保障はないですが、目の前のできることをとにかく全力でやり切るしかないのも事実。

外にも飲みに行けないし誰かと話したい…。不安なときはもう「オンライン飲み」しかありません(笑)

ここ1ヶ月の間に何人とオンライン飲みしたことか~、これが結構楽しいです!やりましょう!気軽ですし。こちらは昨夜のオンライン飲み会です。私たちはコロナビールですよもちろん(笑)

業界内の方は、まだテレビ会議システムに慣れていない方も多いかもしれませんが、堅苦しい会議ではなくてまずは飲み会とかおしゃべりとか、そんな気軽なほうがいいかもしれません。

参加してみたい!という方はぜひコメントくださいませ。次は業界の方々限定でやってもいいかなーと思っています。

また、新しい試みを見つけましたらご紹介させていただきますね!

About 川崎智枝

靴・バッグ業界の経営コンサルティング会社にて、23年間MDアドバイスや店舗の活性化、店長・スタッフセミナー等を実施。2014年4月よりフリーとして活動。 コンサルタントとしてメーカーや小売店に対し、「何を売るか」「どう売るか」までを幅広く指導。また研修コーチ、ファシリテーターとして人材育成ワークショップなどを開催。 日本皮革産業連合会主催の皮革研修では、三越伊勢丹、大丸松坂屋などの百貨店を中心にファシリテーターとして研修を実施。 生涯学習開発財団 認定コーチ、日本ファシリテーション協会会員。 業界誌「フットウエア・ プレス」、「インテリア・ビジネスニュース」にライターとして執筆中。 著書「靴・バッグ 知識と売り場作り」(繊研新聞社)など。Bag Number編集長。

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