【編集長コラム】湯布院のぶらり旅で気づいたこと。「映え」の先にあるもの。#1

By on 2020年2月5日

こんにちは。編集長の川崎です。

今回はちょっと番外編。旅先で気づいたことを2回に分けてしたためてみようと思います。

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普段から、出張が多い仕事をしています。とはいえ、「週に4日5日は家にいない」というハードワーカーほどでもありませんが、月に1週間から10日くらいは地方を旅しているのがここ25年来の暮らしです。

でも、そのくらいがちょうどいいかな。

サラリーマン時代から、ひとり取材で東北から九州まで地方都市を回っていたので、月に1日も県外に出ないのは、なにかよくわからんが「体の中の血が濃くなってしまう」ような心持ちになってしまいます。

で、こないだ九州の出張ついでに、久しぶりにほっこりしようかな~と立ち寄ったのが、初「湯布院」でした。。

まあ初老と老人(笑)が行くにはちょうどいい温泉なんじゃないかと。同世代のご仁もたくさんいるだろうと思っていました。

旦那と福岡で待ち合わせて、バスで2時間ほど揺られる旅。でもちょっと様子が変だなと気づいたのは、福岡空港の国際線ターミナルに停車した時。

どかどかと乗り込んできたのは、アジアからのお客様。それもみんな若くて、20代~30代のカップルだらけ!
このバスの中、初老と老人はけっこう浮いています。。現地到着後はさらに韓国&台湾系ヤングカップルと三世代中国人に溢れかえっているのでした。

「湯布院はジジババの温泉宿ではなかったのか?!」

「川崎さん遅れてますよー、もはや九州の観光地はアジアの若い人たちに超人気なんですから!」

と、どこからともなく天の声(誰?)が聞こえてくるような気もするほど・・・。

もちろん、湯布院の温泉宿がこのまま衰退してしまうよりも全然いいことだし、むしろ地元のみなさんが、アジア圏の若い方に支持されるよう懸命な努力をされてきたことも容易に想像できます。

駅から続く商店街や人気の飲食店は、軒並み「映え」を意識したプレゼンテーションに余念がありません。ファサードには2か国語でのご案内版。

カヌレにはリンゴのコンポートの薔薇が乗り、ピアノ鍵盤を模した人気の「ジャズようかん」は人だかり。

うどん屋はガラス張りにして小麦粉をこね、和食店は野菜と肉をお花のように散りばめた玉手箱…のようなお弁当。

ファッション品では、特に「靴のアルカヤ」さんが観光地に積極的に出店していて、知る人ぞ知る「フラワーマウンテン」やメイドインジャパンの「スピングルムーヴ」などのショップをおしゃれに展開されてます。

*

でもね、でもね。。

それはそれで、コンサルとしての自分は「さすがー、素晴らしい湯布院!わかってる!勉強してる!」って感心するんだけど、心から温泉地でまったりしたい生粋日本人の私が、「なんだか映えはもうええわ~」って心が叫んでるのも事実。

湯布院の街の努力がすごいだけに、気持ち的にアンビバレント。。この状況を、日本人客は楽しめているのかな…とふと考えてしまいました。

さて、この続きはまた次回に。

About 川崎智枝

靴・バッグ業界の経営コンサルティング会社にて、23年間MDアドバイスや店舗の活性化、店長・スタッフセミナー等を実施。2014年4月よりフリーとして活動。 コンサルタントとしてメーカーや小売店に対し、「何を売るか」「どう売るか」までを幅広く指導。また研修コーチ、ファシリテーターとして人材育成ワークショップなどを開催。 日本皮革産業連合会主催の皮革研修では、三越伊勢丹、大丸松坂屋などの百貨店を中心にファシリテーターとして研修を実施。 生涯学習開発財団 認定コーチ、日本ファシリテーション協会会員。 業界誌「フットウエア・ プレス」、「インテリア・ビジネスニュース」にライターとして執筆中。 著書「靴・バッグ 知識と売り場作り」(繊研新聞社)など。Bag Number編集長。

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