「TOKYO LEATHER PIGSKIN 2019」ビッグメゾンからのオファーにも応える、皮革開発力の深化・進化/有限会社ティグレ

By on 2019年5月21日

革素材から製品まで一貫生産するファクトリーならではの ものづくり

 

付加価値性の高いレザーを数多く手がけるティグレ。ナチュラルな仕上げから特殊加工まで幅広くカバー。革づくりから製品まで一貫して生産する。

自社ブランド「leatheria(レザリア)」が好調。
百貨店の催事をはじめ、セレクトショップでの展示販売イベント、無印良品での取り扱いなど着実に幅を広げている。ブランド名は「leather」に、イタリア語で製革業をあらわす「conceria」を組み合わせた造語。タンナーとしての矜持を冠した。

 

特長のひとつして、「製品染め」が挙げられる。オリジナルの植物タンニン鞣し革を用い、バッグを縫製した後に、製品全体をドラムで染めるので、ステッチや裏地にまで染料が入り込み、ファスナーや金具は使い込んだような味わいに。さらに熟練の皮革職人により、オイルで磨き、手もみをしてしなやかさを加える。

 

ウォッシャブルレザーシリーズのバッグがロングヒット商品として成長した。特殊な加工を施した軽くソフトなピッグスエードを使用。市販の中性洗剤で洗濯することで、コーヒー、しょう油、焼肉のたれなどの食品汚れも落ちやすい。

「洗える」という利点に加え、洗うほどに味わいが増し、使うほどに馴染んでいくことで自分だけのバッグにエイジング。そんな風合いとプロセスがデニムと共通しており、ファッション好きなユーザーに向け、アピールしている。墨田区の「すみだモダン ブランド」に認証され、革エプロン、日付をプリントしたカレンダーなどトライアルも続々。トータルなライフスタイル提案を目指す。

 

 

(画像:「JFW JAPAN CREATION 2019」出展ブースより)

 

 

精緻な技術力、旺盛な探求心に信頼が寄せられ、半世紀以上のロングセラーも

 

「製品販売の経験を重ねるうち、メーカーとしての発想が出来るようになり、革のつくり方が変わってきました。売り場でお客さまからお聞きした使い勝手や好みなどのデータは弊社の財産です。OEMや別注、素材開発などのご要望も増え、引き続き強化します。国内で自給できる原料、豚を生かし、特徴的な革をつくっていきたい」と代表取締役 加藤文夫さん。

 

定番のひとつ、「スモールフラワー」は、発売後20年以上オーダーが絶えない。
同社の得意技術、塩縮加工により、繊細な花々を表現。シューズをはじめ、バッグ、雑貨など、多様な製品に華やぎを添える。このほか、40年以上のロングセラーも。顧客の要望に応えるなかで、新柄、オリジナルが続々。近年ではフェイクキルティング加工に着手し完成。その完成度の高さが評判となり、ビッグメゾンからのオーダーも実現した。和紙のようなニュアンスの「マーキュリー」は軽さに驚く。立体的なモチーフ、色柄も多彩で現代アートのよう。そのクオリティに精緻な技術力、旺盛な探求心が宿る。

 

東京スカイツリーに近いエリアへ会社を移転後、タンナーとしての機能とともにショールームを併設。テレビ、雑誌などでも取り上げられ、話題となっている。
期間限定でオープンするほか、アポイント制(平日のみ、10:00~17:00)で対応。製品を中心に一部購買できる皮革素材もあり、ギャラリーのような雰囲気を楽しめる。

 

 

【エディターズメモ】

 

■製品部門ではバッグだけでなく、財布も販売し、好評。

■テレビ番組、ナチュラルファッション誌などで紹介され、女性ファンが多い。

■オンライン工場見学ができる動画を自社サイトで公開。

有限会社ティグレ

東京都墨田区立花4-8-17 鈴梅ビル1階
TEL: 03-3617-2997
FAX: 03-3617-2998
http://www.tigre-leather.com/

 

東京都/東京製革業産地振興協議会「TOKYO LEATHER PIGSKIN 2019 東京産の皮革ピッグスキン」を再構成

東京都/東京製革業産地振興協議会「TOKYO LEATHER PIGSKIN 2019 東京産の皮革ピッグスキン」
平成30年度 東京レザーファッションフェア2018(ピギーズ・スペシャル)に係る都内皮革鞣製業の広報・宣伝事業

企画:株式会社ソーシャルデザイン研究所
取材担当:鈴木清之(「B.A.G.Number」)

 

 

ブックレット「TOKYO LEATHER PIGSKIN 2019 東京産の皮革ピッグスキン」は、「第100回東京レザーフェア」(2019年5月22日~23日開催)の会場内、東京都/東京製革業産地振興協議会ブースで設置・配布予定

 

 

2019年春、リニューアルした東京都立皮革技術センター公式サイトでは、ブックレットの誌面をPDF化。オンラインで閲覧可能です。

東京都立皮革技術センター 

http://www.hikaku.metro.tokyo.jp/honsho/pigskin/

About 鈴木 清之

オンラインライター、ブロガー。「装苑ONLINE」、スタイルストア「つくり手ブログ」<徒蔵(カチクラ)ガイドブック>ほか、一般社団法人 日本皮革産業連合会(JLIA/皮産連)オフィシャルブログおよび関連事業のSNSアカウント<中の人>業務、コンテンツ運用を担当。 紙媒体ではムック「日本の革」(エイ出版社)の取材・ライティングを担当した。 弊誌では担当分のニュースを「B.A.G.NUMBER LENS」として発信。日本国内のバッグブランドを中心に財布、革小物からライフタイルグッズまで幅広く「レザー」「エシカル」「ナチュラル」「サスティナブル」に関するトピックを紹介している。 東京・北千住で生まれ、リーガルコーポレーション(現在は浦安に移転)や大峡製鞄をはじめとした ものづくりのメーカー、ファクトリーが身近にある環境で育つ。精肉店の三代目として家業を継ぐべく竹岸食肉専門学校を卒業。ファッションへの夢を断ち切れず、文化服装学院に入学、同校ファッション情報科を卒業。

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