「TOKYO LEATHER PIGSKIN 2019」色のニーズに応え続ける「染色の巧集団」/有限会社兼子皮革染色工場

By on 2019年5月18日

依頼された色にアジャストさせる職人眼

 

1日10~20色、年間で1,000色もの色を染めている、レザーにおける“染めの匠集団”。

 

サンプルで持ち込まれた革に対する、再現性・正確性は業界でも高い信頼を誇っている。革の仕上がりを見る際には“色評価用蛍光灯”を二種類用意して、微妙な職人眼で色彩を見極めているとのこと。

染める材料は主にピッグレザーを中心とし、シープ、ゴートなどとくに小判ものを得意とする。特に婦人靴向けの甲革が多いが、最近では財布やパスケースといった革小物が増えてきたという。

「今までは希望の色に染めることが仕事でしたが、最近では問屋さんからのリクエストで一加工の手間をかけることが増えてきました。ヒートシュリンクやグレージング加工、縮絨加工などは弊社でも得意です」と会長の兼子隆之さんは話す。

 

撮影:康 澤民

 

技術力を継承する若手世代

 

最近増えているのが、海外から輸入した革の色がブレているので、修正してほしいというオーダー。

 

よく見たら芯通しされていないなど、すでに仕上げが終わっているが、製品になってからの加工のリクエストも少なくない。

「難しいケースも多いですね。どちらかで噂を聞きつけて『ここならやってくれると聞いたので』と言われると、技術力を頼ってきてくれたのかと思い有難いです。ただ工業製品ではないので、思っている色に染まらないことも少なくないです。そんな時には『どうかこの色に染まって下さい』と祈るような気持ちのときもありますよ」と兼子会長。

現在の兼子優介社長は4代目。2007年に入った次男の兼子洋之さんは、タンナーの修行としてバルセロナでの仕事経験も持つプロフェッショナル。現在は若手世代が、培ってきた先人たちの高い技術を継承していくことに情熱を注いでいる。「染色」の深淵な世界に、新しいアイデアが重なっていくと思うと今後が楽しみである。

 

(「第99回東京レザーフェア」出展ブースより)

 

【エディターズメモ】

 

■現在では少なくなってきたメノウやガラス棒で革を磨く“グレージング加工”も得意

 

■同じ黒でも「青みの黒」「赤みの黒」など微妙なニュアンスまでも再現する技術力

■インポート革の「色落ち止め」「染め直し」「裏処理」といった加工も行う

有限会社 兼子皮革染色工場

東京都墨田区東墨田3-14-25
TEL: 03-3612-3710
FAX: 03-3612-3665

東京都/東京製革業産地振興協議会「TOKYO LEATHER PIGSKIN 2019 東京産の皮革ピッグスキン」を再構成

東京都/東京製革業産地振興協議会「TOKYO LEATHER PIGSKIN 2019 東京産の皮革ピッグスキン」
平成30年度 東京レザーファッションフェア2018(ピギーズ・スペシャル)に係る都内皮革鞣製業の広報・宣伝事業

企画:株式会社ソーシャルデザイン研究所
取材担当:川崎智枝(「B.A.G.Number」)

 

ブックレット「TOKYO LEATHER PIGSKIN 2019 東京産の皮革ピッグスキン」は、「第100回東京レザーフェア」(2019年5月22日~23日開催)の会場内、東京都/東京製革業産地振興協議会ブースで設置・配布予定

2019年春、リニューアルした東京都立皮革技術センター公式サイトでは、ブックレットの誌面をPDF化。オンラインで閲覧可能です。

東京都立皮革技術センター 

http://www.hikaku.metro.tokyo.jp/honsho/pigskin/

About 鈴木 清之

オンラインライター、ブロガー。「装苑ONLINE」、スタイルストア「つくり手ブログ」<徒蔵(カチクラ)ガイドブック>ほか、一般社団法人 日本皮革産業連合会(JLIA/皮産連)オフィシャルブログおよび関連事業のSNSアカウント<中の人>業務、コンテンツ運用を担当。 紙媒体ではムック「日本の革」(エイ出版社)の取材・ライティングを担当した。 弊誌では担当分のニュースを「B.A.G.NUMBER LENS」として発信。日本国内のバッグブランドを中心に財布、革小物からライフタイルグッズまで幅広く「レザー」「エシカル」「ナチュラル」「サスティナブル」に関するトピックを紹介している。 東京・北千住で生まれ、リーガルコーポレーション(現在は浦安に移転)や大峡製鞄をはじめとした ものづくりのメーカー、ファクトリーが身近にある環境で育つ。精肉店の三代目として家業を継ぐべく竹岸食肉専門学校を卒業。ファッションへの夢を断ち切れず、文化服装学院に入学、同校ファッション情報科を卒業。

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