【編集長レポート】イーストトーキョーで“建築の記憶を受け継ぐ”リノベ企業「YUKUIDO(ゆくい堂)」を訪ねて (2)

By on 2017年8月7日

こんにちは。編集長の川崎です。

「そういえば、ゆくい堂って何?」という皆様、お待たせいたしました。→前回(1)の「お話を聞く会」はこちら

編集長の川崎がお邪魔してまいりました、先日の「訪問型セミナーSpeak East vol.5」ゆくい堂の丸野社長さんのお話をお聞きする会。

建築物のリノベーションを行う企業でありながら、カフェやブックストア、グリーンショップなど様々な事業を展開されている異色の会社です。

直接“靴やかばん”業界などと繋がらない業界かもですが、これからの組織体を考えるうえで「地域とのコミュニティ作り」や、「自分たちが“何を大切にしているか”」を表現するという意味では、本当に学びになります。

先日のトークショーを経て、改めて「ゆくい堂」さんの考える“建物をリノベする面白さ”に触れて参りました。

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JR上野駅から程近く、住宅街の中の細い路地を挟み込むようにして建つ古いビル。ここに、浅草から「ゆくい堂」さんが2015年に引っ越されてきました。

コツコツと古い“メッキ工場”を改築しながら使い始めたのをきっかけに、ブックカフェ、グリーンショップ、革のアトリエショップ(→m ripple)などが入居しています。ここは、上野駅近くとは思えないほど、まるで南国リゾートのようなゆったりした時間が流れています。

そもそも「ゆくい堂」さんは、建物のリノベーションの設計施工と、ここレトロな古ビル「ROUTE COMMON」の開発プロデュース等を行なっています。

大手建築ディベロッパーを通さずに、現場監督が職人と直接やりとりをし、顧客のイメージを形にしていく“考えながらつくる職人集団”が目指している姿なのだとか。

業務内容は、設計やデザインに限らず、工程や予算管理、現場指示、家具製作など多岐に渡っているのが特徴です。建築業界も仕事の細かいセグメントがあるわけです。

社長の丸野さんは、お客様との会話には特に時間をかけていて、相手が一体“どういう暮らしがしたいのか”という部分には徹底して寄り添って、言葉を引き出しています。お話を伺いました。

「とにかく打ち合わせの回数が他社さんよりも圧倒的に多いと思います。

中には自分がどんなイメージがいいのか言葉が出てこない方もいますが、『音楽』や『映画』の話を振ってみると『あの映画のこんな家具のイメージ』などと本人の“理想の暮らし”が湧き出てきます。

『そうそう、そんなライフスタイルを夢見てたんだよね』と双方で想いを描けるようになるまでは、とことん一緒に語り合います。リノベーションは“コミュニケーション力”が大切だと切実に感じますね。」と丸野さん。

また、マンションや戸建てに限らず、清住白河のカフェ「深田荘」西荻窪の「松庵文庫」といった、古くからその土地を見続けてきた建物を、いまに引き継ぐようなリノベーションも数多く行ってきました。

「この建物がここに建った時からの、まちの景色というのが必ずあるはずなんです。

“建物のもつ記憶”を、きちんと受け継ぐような考え方で、この建物のリノベーションをしたい」と丸野さん。

現代の街並みに溶け込みつつ、尚且つ佇まいを活かすような“質感を重視”した仕事ぶりには根強いファンがついています。

「よくお客さんから、『ゆくい堂っぽくやってね』と言われるんですが、自分たちでもその“らしさ”ってよくわからないんですよね(笑)」

と話されますが、素材のぬくもりを大切にして、“古いものを今に活かす”という発想は、彼らにしか出せないものだと思います。

謎が多いようでいて、少年のようでもあり。。魅力的な丸野社長のもとには、ものづくりを愛する若いひとたちが常に集まっているようにもみえます。

さて、ほかにはどんなリノベが登場するのやら。次に続きます。

◆ゆくい堂株式会社

台東区東上野4-13-9 ROUTE89ビル 1F

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インテリアビジネスニュース2017.07.25号を大幅加筆しました

About 川崎智枝

靴・バッグ業界の経営コンサルティング会社にて、23年間MDアドバイスや店舗の活性化、店長・スタッフセミナー等を実施。2014年4月よりフリーとして活動。 コンサルタントとしてメーカーや小売店に対し、「何を売るか」「どう売るか」までを幅広く指導。また研修コーチ、ファシリテーターとして人材育成ワークショップなどを開催。 日本皮革産業連合会主催の皮革研修では、三越伊勢丹、大丸松坂屋などの百貨店を中心にファシリテーターとして研修を実施。 生涯学習開発財団 認定コーチ、日本ファシリテーション協会会員。 業界誌「フットウエア・ プレス」、「インテリア・ビジネスニュース」にライターとして執筆中。 著書「靴・バッグ 知識と売り場作り」(繊研新聞社)など。Bag Number編集長。

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