【編集長Interview】盛岡で異色の、インポートアイテムを主軸にしたセレクトショップ「菅原靴店」Vol.1

By on 2015年3月18日

1. 菅原靴店ファサード1

東京だけでなく、地方都市にも実は個性的でおもしろいショップがたくさん隠されている。「編集長インタビュー」の第一回目は、バッグとは業界が少し離れてしまうが、ぜひ紹介したい秀逸店だ。

岩手県盛岡市にある「菅原靴店」。どこの地方都市にでもありそうな昔ながらの商店街で店を構える老舗靴店が、三代目に代替わりしたときに思い切って新しい試みへと舵を切った。その果敢なトライアルは業界問わず、現状から抜け出したいと考える売り場の方々にとって、きっと勇気をもらえるのではないかと思う。

JR盛岡駅から東へ開運橋を渡って進むと、街の中心部にある大通(おおどおり)商店街が現れる。そのほぼ中央に位置する菅原靴店は創業1950年と歴史も古く、長らく「質と履き心地の良い靴」にこだわり、良質な革靴を扱ってきた老舗だ。

現在は三代目である代表取締役の菅原誠さんが、バイイングと店のトータルディレクションを行っている。

22.菅原誠社長IMG_1746

店舗の外装は一見すると、商店街立地によく見られる昔ながらのファサード。ところがショーウィンドゥの中をのぞくと、高級なイタリア製の靴やジャケット、革小物やアクセサリーまで、1点もの感覚の個性的なアイテムが美しく並ぶ。

都内の百貨店で見かけるようなクロコのシューズやエレガントなバッグなどは、ここが盛岡であるということを一瞬忘れさせるほどだ。

ここまで贅沢にインポート商材が並んでいる売り場は、全国でも大変珍しい。三十万人都市の盛岡の街で、こういったショップを作ることになるまではどんな道のりだったのか。社長の菅原誠さんにお話しを伺った。

◆直接買い付けのインポートシューズ&服飾雑貨

3.店内1階 ストックトンコーナー

4.5 店内写真

1階から3階までが菅原靴店の店舗になっており、3フロア合わせて130坪ほど。入り口を入ると、縦に長い奥行きのある商店街立地らしいレイアウト。

1階の右半分は、レディスの国産ブランド(卑弥呼、クロスロード、エイゾー等)とインポートカジュアル&エレガンス(エミュ、マナス、プロジェット等)、レディススニーカー(ノーネーム、ストックトン等)などが並ぶ。

左半分はメンズスニーカー(パトリック、パントフォラ ドーロ、ディアドラ等)、インポートビジネス(クロケット&ジョーンズ、パラブーツ等)、インポートカジュアル系(ステファノガンバ、ストックトン等)、メンズバッグ(ペッレモルヴィダ、アニアリ等)などで構成されている。

8.1階メンズ ビジネスコーナー

10. 店内一階メンズ側 スニーカー

2階は、「Piace?(ピアーチェ)」という、レディスのハイブランドのインポート売り場。シューズ(ファビオ・ルスコーニ、ペリーコ、サルトル等)、バッグ、アクセサリー、アウター類が品良くセレクトされている。

雑誌「ストーリィ」の著名スタイリストとコラボしたパールアクセサリーは、国内でのリアル店舗は菅原靴店のみの取り扱いというレア度の高さ。業界内外にネットワークを持つ菅原さんならではだ。

12. 2階レディス インポートコーナー

川田亜貴子さんコラボネックレス

3階は「Per noi(ペルノイ)」と名付けられたメンズ売り場で、“LEON系男性”に特化したイタリア製のジャケットやパンツ、服飾雑貨が並ぶ。また宮城県が誇るハンドメイド靴ファクトリーの「宮城工業」のオーダー靴コーナーも併設されている。細かなサイズ展開で並ぶサンプル靴は圧巻だ。

16.3階メンズ 店頭

19.3階メンズ 宮城工業オーダーコーナー

実は、この売り場自体にはあまりお金をかけていないという。店舗は大きな改装を入れずに、古くなった部分にはペンキを塗ったり壁紙を貼り替える程度にとどめているが、不思議と古めかしさは感じない。人工芝やディスプレイ小物などスタッフの創意工夫で、鮮度を保つよう様々な努力を重ねている。

ただハンガーやソファなど、お客様が直接手に触れたりするものには気を遣う。質感の良さ、肌あたりなどは、商品と同じくらいお客様の印象に残るものだからだという。この視点はとても新鮮だ。

次回は、こうした品揃えに至った詳しい経緯をお聞きした。

(続く)

◆「菅原靴店」岩手県盛岡市大通2-2-12 019-622-4326

HP http://www.sugawara-ltd.com

※こちらはFootWearPress11月号に掲載されたものをリライトしました

About 川崎智枝

靴・バッグ業界の経営コンサルティング会社にて、23年間MDアドバイスや店舗の活性化、店長・スタッフセミナー等を実施。2014年4月よりフリーとして活動。 コンサルタントとしてメーカーや小売店に対し、「何を売るか」「どう売るか」までを幅広く指導。また研修コーチ、ファシリテーターとして人材育成ワークショップなどを開催。 日本皮革産業連合会主催の皮革研修では、三越伊勢丹、大丸松坂屋などの百貨店を中心にファシリテーターとして研修を実施。 生涯学習開発財団 認定コーチ、日本ファシリテーション協会会員。 業界誌「フットウエア・ プレス」、「インテリア・ビジネスニュース」にライターとして執筆中。 著書「靴・バッグ 知識と売り場作り」(繊研新聞社)など。Bag Number編集長。

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