「TOKYO LEATHER PIGSKIN 2019」ヒューマン・フレンドリーな革づくり。新ジャンルへの積極的な挑戦/有限会社ティー・エム・ワイズ

By on 2019年5月20日

「靴の甲革」や「防水レザー」などの新ジャンルを打ち出す

 

ティーエムワイズでは主に、風合いや色出しにこだわったシープのスエード革が充実している。カラーは全部で100色以上。若手が活躍する工房では、フィルムや箔貼り、塗装、オイル入れ、ワックス、パール加工など、さまざまな革の仕上げ加工を得意としている。

「スエード素材だけだと春夏シーズンには弱くなってしまうので、オールシーズン可能な新しいフィルム加工や、靴の甲革といった新カテゴリーに着手しています。特に靴の甲革は、社内の第3の柱として育てていきたい。そのために、甲革を加工する機械も導入しました」と渡邊社長は話す。

また今後さらに力を入れていこうとしているのが、水をはじく「防水革」や「アンチバクテリア革」、「クロムフリー」といった、機能的にも新しい切り口の製品だ。時代のニーズを着実にとらえ、“人に対してフレンドリーであること”を特に意識しているという。

(画像:「JFW JAPAN CREATION 2019」出展ブースより)

 

 

墨田のタンナーが培った技術力を継承するために

 

「海外から輸入している原皮は、育った環境や気候でも違うので、それらを一定のクオリティに仕上げることも繊細な技術力が必要です。
毎日が勉強であり、常に終着駅はありません。

最近は、廃業されるタンナーさんも多いと聞きますが、一軒がなくなったとしてもそれと同じ技術の再現はもう不可能。なので、ここ墨田で培われた技術は何とか残さないといけないと、特に実感しています。他社との技術提携なども前向きに考えています。

大判の牛の半裁を扱ったり、靴用の革などに対応する新しい機械を導入したこともあり、工房が手狭になってきました」と渡邊社長。区内近隣への移転プランが進行中。新工場を拠点にさらなる素材開発を進めて行きたいとのこと。

 

年2回の伊リネアペレ展示会には必ず社員を派遣し、レザーのトレンド情報の仕入れは欠かさない。若い世代のチャレンジを活かしながら、海外へと製品輸出を目指す。「常に先行しないといけない」という渡邊社長の情熱が伝わってくる。

 

 

【エディターズメモ】

 

■新工場オープン後は、工場の見学会等も企画したいとのこと。

■原皮はパキスタンやインドから“クラスト”状のものを年間契約でリーズナブルに仕入れられるのが強み。

■入社した義理の息子さんも3年目。日々革づくりを楽しんでいる。

 

有限会社ティー・エム・ワイズ

東京都墨田区東墨田3-14-3
TEL: 03-5630-8189
FAX: 03-3612-5111
http://tmy-s.com/

東京都/東京製革業産地振興協議会「TOKYO LEATHER PIGSKIN 2019 東京産の皮革ピッグスキン」を再構成

東京都/東京製革業産地振興協議会「TOKYO LEATHER PIGSKIN 2019 東京産の皮革ピッグスキン」
平成30年度 東京レザーファッションフェア2018(ピギーズ・スペシャル)に係る都内皮革鞣製業の広報・宣伝事業

企画:株式会社ソーシャルデザイン研究所
取材担当:川崎智枝(「B.A.G.Number」)

 

ブックレット「TOKYO LEATHER PIGSKIN 2019 東京産の皮革ピッグスキン」は、「第100回東京レザーフェア」(2019年5月22日~23日開催)の会場内、東京都/東京製革業産地振興協議会ブースで設置・配布予定

2019年春、リニューアルした東京都立皮革技術センター公式サイトでは、ブックレットの誌面をPDF化。オンラインで閲覧可能です。

東京都立皮革技術センター 

http://www.hikaku.metro.tokyo.jp/honsho/pigskin/

About 鈴木 清之

オンラインライター、ブロガー。「装苑ONLINE」、スタイルストア「つくり手ブログ」<徒蔵(カチクラ)ガイドブック>ほか、一般社団法人 日本皮革産業連合会(JLIA/皮産連)オフィシャルブログおよび関連事業のSNSアカウント<中の人>業務、コンテンツ運用を担当。 紙媒体ではムック「日本の革」(エイ出版社)の取材・ライティングを担当した。 弊誌では担当分のニュースを「B.A.G.NUMBER LENS」として発信。日本国内のバッグブランドを中心に財布、革小物からライフタイルグッズまで幅広く「レザー」「エシカル」「ナチュラル」「サスティナブル」に関するトピックを紹介している。 東京・北千住で生まれ、リーガルコーポレーション(現在は浦安に移転)や大峡製鞄をはじめとした ものづくりのメーカー、ファクトリーが身近にある環境で育つ。精肉店の三代目として家業を継ぐべく竹岸食肉専門学校を卒業。ファッションへの夢を断ち切れず、文化服装学院に入学、同校ファッション情報科を卒業。

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