【編集長コラム】金沢名物レストラン「ステーキハウス ひよこ」で学んだこと その2

By on 2018年2月21日

こんにちは。編集長の川崎です。

金沢「ビーフステーキひよこ」で学んだこと、その1はこちら

食べるだけにとどまらず、取材根性で伺った「ベストパフォーマンス経営(仮)」とは!?

と、その前にもういっかい、ドンっっ! あー、お腹すいてきた。

54年間守ってきたメニュー

さて、こちらでのメニューは、「ステーキのコース」ひとつだけです。

前回も書きましたが、こちらのお店の特徴は。。

◆「ごはんはなし」「アルコールは瓶ビール、赤ハーフボトルのみ」

◆「7名」が、横にみっちり並んでいっぱい(カウンターはたぶん3.0~3.5mくらい…)

◆「東京オリンピックの年(1964年)」にここの場所でスタートし、54年間同じメニュー

◆店舗には一切お金をかけない

◆逆に、素材には徹底してこだわる

もう何というか、すがすがしい!!

金沢出身の知り合いから、小さい頃はこの店で家族でステーキを食べるのがご馳走だった、という思い出を聞きました。

そんな家族の記憶も濃密に詰まったお店なんですね。

ご主人の背中には高倉健さんの写真もあって、どうやら映画の撮影のたびに立ち寄られたそうです。

著名人も足しげく通われた店。確かにこんな店は、日本全国探してもきっとない!と断言できますね。

舌で切れそうなレアな肉質

「ステーキハウス」は、もとはご主人が若い時にコックをされていて、そこから独立したご経験から来ているとのこと。

まず肉の質がすべて。仕入れは牛ヒレのみを使用。ミディアムレアの絶妙な焼き加減。

仕入れ業者が持ってきた肉にちょっと指を入れたら「あ、この牛、風邪ひいてる」とかわかってしまうそう! えー!ホントにっ?!

そんなプロの見極めが可能だからこそ、もはや店頭にすら並ばない、料亭レベルの極上肉なのではなかろうかと推察いたします。

*

下手したら、舌で切れます!マジで。「そのくらい柔らかいものならば、実は回転率がいいから。」とご主人談。

ずーっと噛み続ける“歯ごたえ系”の肉ではなくて、スルスルと難なく食べられてしまうからこそ、あっという間に女性でも完食してしまえるというのも納得。

食べる時間がとても「短い」ですが、脂も少ないので、嫌なもたれ感も残りません。

そして、ナイフとフォークではなく、お箸を使うのもそんな理由。肘がつっぱるナイフではなく、お箸であれば、隣の人の隙間がなくても食べられるからだとか。

とはいえ、全く狭苦しい感じは受けませんでしたけどね。

お客様の要求を“聞き過ぎない”こと

「で、和風のさっぱりしたタレにしたのは、辛いとごはんやパンが欲しくなり、そうなってくると味噌汁やら漬物やらも出さなあきまへんやろ。なんにでも応えてたら身体もたないからね。」と、楽しそうに笑うご主人。

あー、こんな商売人の方って大好き! そうなんですよね、なんでもかんでも要求に応え続けていくことは、さて商売として大切なことなのか?と考えさせられます。

サービスも徹底しつづけるとキリがない。

とにかく、ステーキのクオリティは徹底して下げないこと。そこは神レベル!

旦那とも話しましたが、だいたい原価率は70〜75%ぐらいではなかろうかと。ただ、来月からまた値上げになるそうです。

ご主人から学んだのは、「自分たちの店(仕事)では、何を一番大切にしているのか?」ということ。

すべてをパーフェクトにすることはできないけど、自分たちが貫きたいことを絶対にぶらさない。この問いは、すべての商売に通じるのだろうと思いました。

同じ時間帯で同席した方々は、写真を撮りまくり、もくもくと肉と向き合って、完食してだいたい30分以内に退出。ラーメン屋並みですな(笑)。 

お話してたので約50分あまり店内におりましたが、外では次の組のお客様がお待ちです。はやっ!

「人の記憶に残る味」とは

あっという間の「ひよこ」体験でしたが、外に出てからタクシーの中で、この小一時間の経験をぐるぐると考えておりました。

嗚呼、知ると体験するとは大違いなんだな。

自分のなかで、カチリと「パラダイムシフト」が起こりました。

こんなに“人の記憶に残る味”って一体世の中に何件あるんだろうか。まだ知らない店が世界にはきっとたーくさん。。

そんな店にこれからも出会っていきたいなぁと、しみじみ実感しながらの帰路でした。

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About 川崎智枝

靴・バッグ業界の経営コンサルティング会社にて、23年間MDアドバイスや店舗の活性化、店長・スタッフセミナー等を実施。2014年4月よりフリーとして活動。 コンサルタントとしてメーカーや小売店に対し、「何を売るか」「どう売るか」までを幅広く指導。また研修コーチ、ファシリテーターとして人材育成ワークショップなどを開催。 日本皮革産業連合会主催の皮革研修では、三越伊勢丹、大丸松坂屋などの百貨店を中心にファシリテーターとして研修を実施。 生涯学習開発財団 認定コーチ、日本ファシリテーション協会会員。 業界誌「フットウエア・ プレス」、「インテリア・ビジネスニュース」にライターとして執筆中。 著書「靴・バッグ 知識と売り場作り」(繊研新聞社)など。Bag Number編集長。

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